2009年の7月に決められた一連の規制の中で、最も納得できるものを挙げるとすればロスカットルールの徹底でしょう。
ロスカットとは日本語に直すと「損切り」。文字どおりの意味では評価損を抱えている状態で手仕舞いして、キャッシュに戻すことを言います。ただ、FXで言う場合のロスカットには、別の意味も含まれてきます。トレーダーの評価損が事前に定められた一定額になった場合、取引をシステムで強制的に自動終了させて、損失の拡大を一定量に食い止めることを指す場合もあるのです。
株式の現物取引や、普通の為替取引の場合、どんなに酷いケースでも、運用中の資産がゼロになるだけで済みます。一方、株式の信用取引やFXなどのような差金決済を行う資産運用方法のケースでは、本来扱える数倍以上もの資金相当額を運用できるわけですから、運用資金を超える資産を失うリスクもあるのです。それを防ぐために、ロスカットルールを徹底しようというのが今回の金融庁の決定です。
損失を最小限に抑えられるロスカットですが、それも万全というわけではありません。そもそも、大手のFX会社を中心に自動でのロスカット機能は既に提供されているケースもありましたし、今回のFX規制により、それを「徹底」することが決められただけともいえます。
また、自動ロスカットが徹底されたとしても、「一定額になったら」ようやく起動する機能ということになります。例えば経済指標の発表直後など、相場が急変するような時には、自動ロスカットが間に合わず損失が広がってしまう危険性があります。また、取引量が過多の時には、そもそも取引自体がすぐに成立するかどうかも不安です。
あくまでロスカットは簡単な保険程度のものと思っておいて、自分の許容できる程度のレバレッジに留めておくのが賢明な判断といえるのではないでしょうか。